
工場を長く安全に稼働させるためには、定期的な修繕工事が必要です。
今回の記事では、
- どのタイミングで工場を修繕すればいいのだろう?
- どんな修繕工事を行うのだろう?
と疑問をお持ちの担当者さまのために、
- 工場を修繕するべきタイミング
- 工場の修繕工事の種類
について、詳しく解説します。
また、工場の建物を維持するために大切なことは、雨水を建物に入れないことなので、その重要性についても解説しておきます。
工場を修繕するべきタイミング

「工場を修繕したほうがいいのは何となく分かるけど、きっかけやタイミングが掴めない」と悩んでいる担当者さまは多いです。
- 建物に劣化がないかチェックして決める
- 専門業者の診断を受けて決める
工場を修繕するべきタイミングを見極めるためには、上記2つの方法があります。
【1】建物に劣化がないかチェックして決める
工場を修繕するべきタイミングを見極めるためには、実際に建物をよく観察して、劣化がないかどうかを確認する方法が有効です。
建物に以下のような劣化が見られたら、耐用年数(後述)に関わらず、早めの修繕を検討しましょう。
- 屋根材に割れ・欠け・浮きなどがある
- 屋根の表面が色あせている
- 雨樋が変形したり外れたりしている
- 外壁の塗装が膨らんだり剥がれたりしている
- 外壁に触れるとチョークの粉のようなものが手につく
- 外壁にコケやカビが生えている
- 金属部分がサビている
- 壁や床などにひび割れがある
- コーキングが縮んだり割れたりしている
- 排水溝が詰まっている
- 工場の中が暑くなってきた
工場の中が暑くなってきて、空調設備に不具合がない場合、屋根の遮熱性能が落ちている可能性があります。
【2】専門業者の診断を受けて決める
工場の多くが鉄骨造で、法的耐用年数は「24年~38年」です。
しかし、上記年数は減価償却できる年数のことであり、工場の劣化具合とはあまり関係がありません。
耐用年数よりも、場所ごとのメンテナンス時期の目安を、修繕タイミングの判断材料にするとよいです。
たとえば、工場の屋根のメンテナンス時期は「15~20年に1度」、工場の外壁のメンテナンス時期は「10~15年に1度」です。
上記のメンテナンス時期の目安を超えて、修繕工事を何もしていない場合、見ただけでは気付かない劣化が出ている可能性があります。
専門業者に建物の診断をしてもらって、必要であれば早めに修繕工事を行うことが望ましいです。
工場の修繕工事を行った記録が残っていない場合は、これまで工場の修繕について注意が払われていなかった可能性が高いです。
なるべく早く修繕工事が行えるように、予算の作成・依頼先の情報収集・手配など、体制づくりから始めていきましょう。
工場の修繕で重要なのは「雨水の浸入を防ぐこと」

工場の修繕工事の種類は様々ありますが、特に重要なのが「屋根」と「外壁」の工事です。
工事の種類は後に解説しますので、ここでは雨水の浸入を防ぐことの重要性について解説します。
- 雨水の浸入は建物構造の劣化を早めてしまう
- 雨水の浸入によって内部設備・機械に深刻な影響が出る
- 雨水の浸入によって湿気が原因の健康リスクが生じる
雨水の浸入は建物構造の劣化を早めてしまう
工場の屋根や外壁の修繕を行わず、雨水の浸入を許してしまうと、コンクリートの中性化(=コンクリートの耐久性低下)や鉄骨のサビが進行しやすいです。
雨水は、鉄骨・鉄筋・コンクリート・木材といった「建物の骨組み」を内部から破壊し、工場の構造的な寿命を縮めてしまいます。
雨水の浸入によって内部設備・機械に深刻な影響が出る
工場では、雨水の浸入によって次のようなリスクが生じます。
- 制御盤や電気設備の漏電およびショート
- 精密機器や生産ラインの故障
- 在庫や製品の損傷
上記のような事態が発生すると、修理・復旧費用がかかるだけではなく、生産停止・品質トラブルなどに繋がるおそれがあります。
雨水の浸入によって湿気が原因の健康リスクが生じる
雨水の浸入によって、工場内の湿気が多くなると、カビや細菌が繁殖しやすくなります。
カビや細菌が繁殖すると作業環境が悪化し、従業員の健康リスクが生じてしまいます。
悪臭や腐敗などを引き起こす可能性もあり、特に食品工場やクリーンルームでは致命的です。
ここまでの情報をまとめると、雨水の浸入を防ぐことが建物維持の基本で、修繕工事によって劣化の連鎖を断ち切ることが必要です。
なかでも屋根工事・外壁工事が、工場の建物としての寿命を延ばすために、大きな役割を果たします。
工場の修繕工事の種類

- 屋根カバー工事
- 屋根塗装工事
- 外壁カバー工事
- 外壁塗装工事
上記が、工場の修繕工事の種類です(重要度が高い屋根・外壁に着目)。
屋根カバー工事
屋根カバー工事とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる工事のことです。
屋根カバー工事には、
- 工事費用を安く抑えられる
- 工事の期間が短い
- 屋根の防音性や断熱性が高まる
- アスベストの飛散リスクが低い
- 屋根の構造材がほとんど傷まない
といった、多くのメリットがあります。
屋根塗装工事
屋根塗装工事はその名の通り、屋根を塗装する工事のことです。
屋根の美観が向上するだけでなく、防水性能や遮熱性能など、様々な機能を付与することができます。
ただし、屋根からの雨漏りを止めることはできません。
外壁カバー工事
外壁カバー工事は、既存の外壁を撤去せずに、新しい外壁をかぶせる工事のことです。
屋根カバー工事も同様ですが、工場を稼働させたまま工事できることが強みで、外壁が二重になることにより断熱性能・防水性能の向上も期待できます。
外壁塗装工事
外壁塗装工事はその名の通り、外壁を塗装する工事のことです。
外壁の美観が向上したり印象を変えたりできるだけでなく、防汚性能や遮熱性能など、様々な機能を付与することができます。
先述の屋根塗装も同様ですが、「どのような塗料を選ぶか?」が、建物の耐久性に関わってきます。
当社『ゼファン』が行った工場の修繕工事の事例
以下では、当社『ゼファン』が行った工場の修繕工事の事例を紹介します。
【1】大阪府大阪市 屋根カバー工事・軒天補修工事・室外機撤去工事

- 工事概要:屋根カバー工事(リファインルーフ635)・軒天補修工事・室外機撤去工事
- 施工費用:総額94万円(税込)
- 施工面積:70㎡(屋根)
- 屋根の形:切妻
- 工期 :1日(屋根工事)
大阪府大阪市の工場で、屋根カバー工事・軒天補修工事・室外機撤去工事を行いました。
「時期的にそろそろ工事するタイミングかな」とお問い合わせをいただいたことが、工事のきっかけです。
工場の築年数的に、部分補修だけでは雨漏り・劣化は防げないと判断したため、『リファインルーフ635』による、建物に負担がかかりにくい屋根カバー工事を提案しました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 大阪市 屋根カバー工事(リファインルーフ635)・軒天補修工事・室外機撤去工事
【2】兵庫県 屋根カバー工事・雨樋工事・ベンチレーター塗装工事

- 工事概要:屋根カバー工事・雨樋工事・ベンチレーター塗装工事
- 施工面積:10,000㎡(工場屋根)
- 屋根の形:工場屋根
- 工期 :58日
兵庫県某市の工場で、屋根カバー工事・雨樋工事・ベンチレーター塗装工事を行いました。
ある日兵庫県で雹(ひょう)が降り、工場の屋根に無数の穴があいてしまったそうです。
「作業に影響が出るため、急いで直してほしい」とご希望をいただき、本来半年くらいかけて施工するところを、多くの人員を稼働させて約2ヶ月で完成させました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 兵庫県 工場屋根(カバー工法)・雨樋交換・ベンチレーター塗装工事
【3】京都府木津川市 屋根カバー工事・樋交換工事・外壁塗装工事

- 工事概要:屋根カバー工事(ボトムフラット)・樋交換工事・外壁塗装工事(マックスシールドSI)
- 施工費用:470万円(税込)
- 施工面積:294㎡
- 屋根の形:切妻
- 工期 :28日
京都府木津川市で、屋根カバー工事・樋交換工事・外壁塗装工事を行いました。
工場の屋根から雨漏りがあり、スレートの経年劣化も進んでおり、ちょうど屋根のメンテナンス時期にきているということで、屋根カバー工事を提案しました。
また外壁の塗装も剥がれている箇所があったため、外壁塗装工事の提案もしました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 京都府 木津川市 工場屋根 カバー工法(ボトムフラット)・樋交換工事・外壁塗装工事
まとめ
以上、工場の修繕を行うべきタイミングや雨水の浸入を防ぐことの重要性、屋根・外壁に着目した修繕工事の種類などについて、詳しく解説しました。
目に見える劣化がなくても、見えないところで劣化が進んでいる可能性があるため、屋根・外壁のメンテナンス時期を過ぎていたら、1度専門業者に診断してもらうことをオススメします。
⇒ 大阪などで工場の修繕を行うなら実績豊富な『ゼファン』にお任せください。
<こちらの記事も参考になります>
⇒ 倉庫のメンテナンスは10~15年に1回!実際の工事(屋根カバー工法)の例もいくつか紹介
⇒ 工場で雨漏りしたらどうする?自分で応急処置できる?どんな工事を行う?工事の実例は?
