「屋根カバー工法」とは、既存の屋根の上に、防水シートと新しい屋根材をかぶせて覆う屋根リフォームの工法のことを指します。
葺き替えと比べて工期が短いことや、古い屋根材と2重構造になるために断熱効果が得られることなどが、屋根カバー工法のメリットとして挙げられます。
そうした屋根カバー工法を検討するにあたって、1番気になるのは「費用」のことではないでしょうか。
今回の記事では、「屋根カバー工法にかかる費用」について、大阪の屋根工事専門業者である当社『ゼファン』が、実際に施工した事例を取り上げながら、分かりやすく解説します。
また記事の後半では、「屋根カバー工法にかかる費用を安く抑える方法」についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
屋根カバー工法にかかる費用の「総額」
平均的な広さの家(約30坪・屋根面積60~90㎡程度)にお住まいだとすると、屋根カバー工法にかかる費用の総額は、80~120万円です。
屋根カバー工法を行うことで、屋根の寿命は20年程度、延びます。
事例で分かる、屋根カバー工法にかかる費用
以下では、当社『ゼファン』が実際に施工した、屋根カバー工法の事例をいくつか紹介します。
【1】総額120万円 枚方市で屋根カバー工法を行う
- 費用 :総額120万円
- 施工面積:約66㎡
- 屋根の形:棟違い屋根
- 工期 :約10日間
枚方市で、総額120万円で屋根カバー工法・雨樋交換工事などを行いました。
選んだ屋根材は、『スーパーガルテクト(色:シェイドブラウン)』です。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 枚方市 屋根重ね葺き工事(スーパーガルテクト)・破風板金・雨樋交換工事
【2】総額108万円 摂津市で屋根カバー工法を行う
- 費用 :総額108万円
- 施工面積:約74㎡
- 屋根の形:切妻
- 工期 :約9日間
摂津市で、総額108万円で屋根カバー工法を行いました。
お客様が家の耐震性を気にされていたため、大幅な軽量化を実現している『スーパーガルテクト』を提案しました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 摂津市 カバー工法(スーパーガルテクト)
【3】総額159万円 寝屋川市で屋根カバー工事を行う
- 費用 :総額159万円
- 施工面積:約118㎡ ※平均より広め
- 屋根の形:寄棟
- 工期 :約26日間
寝屋川市で、総額159万円で屋根カバー工法・雨樋交換工事などを行いました。
選んだ屋根材は、『スーパーガルテクト(色:シェイドチャコール)』です。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 寝屋川市 屋根カバー工法(スーパーガルテクト)・雨樋交換工事
【4】総額120万円 羽曳野市で屋根カバー工事を行う
- 費用 :総額120万円
- 施工面積:約74㎡
- 屋根の形:違い棟
- 工期 :約4日間
羽曳野市で、総額120万円で屋根カバー工法・破風板金巻き(ケラバ部)工事を行いました。
選んだ屋根材は、『スーパーガルテクト(色:シェイドブラウン)』です。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 羽曳野市 屋根重ね葺き(カバー工法)スーパーガルテクトへ・破風板金巻き工事
【5】総額78万円 大阪市中央区で屋根カバー工事を行う
- 費用 :総額78万円
- 施工面積:約43㎡
- 屋根の形:切妻
- 工期 :約2日間
大阪市中央区の工場で、総額78万円で屋根カバー工法・樋の交換工事などを行いました。
既存屋根が立平葺きで、かぶせた屋根材も立平葺きです。
立平葺きとは、板金だけで構成された屋根のことです。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪市中央区 屋根重ね葺き工事(立平葺きへ)・箱谷板金入れ替え・樋交換工事
屋根カバー工法にかかる費用の「単価」
屋根カバー工法には、以下のような基本的な工程があります。
- 足場を組む
- 既存の棟板金を外す
- ルーフィングを張る
- 屋根材を張る(かぶせる)
- 新しい棟板金などを取り付ける
- 足場を解体する
これを踏まえたうえで、屋根カバー工法にかかる費用の単価を見てみましょう。
いずれも目安であり、どんな材料を使うのかによって変動します。
工事項目 | 単価 |
【1】足場組み | 850円/㎡ ~ |
【2】ルーフィング張り | 800円/㎡ ~ ※ルーフィングの種類によって異なる |
【3】新しい屋根材張り | 6,500円/㎡ ~ ※屋根材の種類によって異なる |
【4】棟板金 | 4,000円/m ~ |
【5】軒先唐草 | 2,000円/m ~ |
【6】ケラバ水切り | 3,000円/m ~ |
上記のほか、廃材処理費がかかります(一式25,000円前後)。
また、「現場管理費」および「一般管理費」もかかりますが、これについては後ほど詳しく解説します。
【1】「足場組み」の単価
屋根カバー工法の「足場組み」の単価は、「850円/㎡ ~」です。
足場の重要性については、後ほど詳しく解説します。
【2】「ルーフィング張り」の単価
屋根カバー工法の「ルーフィング張り」の単価は、「800円/㎡ ~」です。
ルーフィングとは防水シートのことで、屋根材の下に施工することで、二次防水の役割を果たします。
ルーフィングにも様々な種類がありますが、当社『ゼファン』では、タッカー穴からの浸水も最小限に抑えることができる「ゴムアスファルトルーフィング」を採用しています。
【3】「新しい屋根材張り」の単価
屋根カバー工法の「新しい屋根材張り」の単価は、「6,500円/㎡ ~」前後で、当然ながら選ぶ屋根材の種類によって、大きく異なります。
当社『ゼファン』では、『スーパーガルテクト』という軽量の金属屋根材を採用することが多いです。
<詳しくはコチラ>
⇒ スーパーガルテクトとは?10のメリット・デメリット・費用・施工事例などを紹介
【4】「棟板金」の単価
屋根カバー工法の「棟板金」の単価は、「4,000円/m ~」です。
棟板金は、屋根の頂上部分で、屋根材同士が重なる部分を覆うように取り付ける板金です。
屋根の頂上の隙間から、水が入ってくることを防ぐ役割があります。
【5】「軒先唐草」の単価
屋根カバー工法の「軒先唐草」の単価は、「2,000円/m ~」です。
「軒先」は、屋根の先端部分のことを指しており、外壁から軒先までの長さは「軒の出(のきので)」などと呼ばれます。
そして、金属屋根やコロニアル屋根の雨仕舞として、軒先に「軒先唐草」と呼ばれる板金を取り付けるのです。
軒先唐草は、ルーフィングの上を流れてきた雨水を、適切に雨樋へ伝える役割を持っています。
【6】「ケラバ水切り」の単価
屋根カバー工法の「ケラバ水切り」の単価は、「3,000円/m ~」です。
切妻屋根や片流れ屋根で、雨樋が取り付けられていない面を「ケラバ」と呼びます。
ケラバは、建物の「日当たりの調整」や「外壁の紫外線劣化防止」、「雨水の吹き込み防止」などの役割を持っており、屋根先を破風板と水切り金具などで覆い、雨仕舞を行います。
屋根カバー工法の費用についてよくある質問
屋根カバー工法の見積書を見てみると、疑問が出てくることもあるでしょう。
疑問が出てきたら、できるだけ迅速に工事担当者に確認することをオススメします。
以下では、屋根カバー工法の費用についてよくある質問をピックアップして、お答えします。
【1】足場は絶対に組まないといけない?
足場代としては、およそ20万円の費用がかかります。
「足場を組まずに工事すれば、かなり工事費用が浮くのでは?」と思うかもしれませんが、屋根カバー工法を行うためには、足場は絶対に組まないといけません。
高さ2メートル以上の屋根工事を実施する場合に足場設置が必要であることが法律で定められているためです。
足場が必要になる主な理由は、下記の3つです。
- 安全に施工するため
- 正確に施工するため
- 近隣に配慮するため
「近隣に配慮するためというのはどういうこと?」と思われるかもしれません。
屋根カバー工法をするにあたって粉塵の飛散も抑えることができます。
「屋根カバー工事をしている間、近隣の人に迷惑と思われないか不安……」という人が多いと思いますので、そういう人こそ足場組みはしっかりと行ってもらうようにしましょう。
【2】現場管理費・一般管理費って何?
屋根カバー工法の見積書の項目に入っている「現場管理費」や「一般管理費」は、いわゆる諸経費です。
諸経費の相場は「工事費用全体の5~10%」で、当社『ゼファン』は「3%~7%」を加算しています。
当社の場合は、約90万円の工事だと現場管理費が約27,000円、一般管理費も約27,000円です。
<現場管理費として計上される費用の一例>
- 労務管理費:現場監督が現場を管理する費用(写真管理など)
- 保険料 :労災保険料や瑕疵(かし)保険料など
- 交通費 :車両のガソリン代など
- 機材損料 :消耗した道具・機材の交換費用など
- 事務費 :通信や文房具などにかかる費用など
<一般管理費として計上される費用の一例>
- 労務費 :現場担当者の人件費など
- 動力用水光熱費:事務所で必要になる光熱費など
- 雑費 :社内打ち合わせの費用など
屋根カバー工法の費用を安くする3つの方法
- マッチングサイトを経由せず、直接依頼する
- 屋根工事を「外注」している業者を避ける
- 最低でも2社から「相見積もり」を取る
屋根カバー工法の費用を安くするためには、5つの方法があります。
【1】マッチングサイトを経由せず、直接依頼する
最近、屋根のリフォーム業者を紹介するマッチングサイトが増えています。
マッチングサイトには、「たくさんの工事業者を無料で紹介してもらえる」というメリットがあるのですが、「工事費用が高くなることが多い」というデメリットもあるため、利用は慎重になるほうがよいです。
<マッチングサイト経由だと、なぜ工事費用が高くなる?>
マッチングサイトが紹介した業者とお客様が契約すると、業者は“紹介料”として、「工事金額の10~15%」を、マッチングサイトの運営会社に支払います。
よって業者は、上記紹介料を上乗せした価格で見積書を作成する必要があり、結果として工事費用が高くなってしまうのです。
【2】屋根工事を「外注」している業者を避ける
外壁塗装業者・訪問販売業者・家電量販店・ホームセンターなどでは、基本的に屋根材を直接購入したり、職人さん(板金工・瓦葺工)を雇い入れることはありません。
つまり上記の業者が、屋根カバー工法による工事を引き受ける場合、下請け業者に工事を外注することがほとんどです。
下請け業者に外注工事を依頼する契約では、中間マージンが発生するため、工事費用が高額になりがちです。
また、下請け業者が間に入ってしまうと、「相談しにくい」「意見・要望を伝えにくい」といったデメリットもあります。
よって、屋根カバー工法による工事は、「完全自社施工」の業者に頼むほうがよいでしょう。
なお当社『ゼファン』も、「完全自社施工(当社で雇用した職人が打ち合わせや設計・施工・アフターフォローなど、工事のすべての工程を担う)」の業者です。
【3】最低でも2社から「相見積もり」を取る
1社に相談するだけで工事を契約すると、比較対象がなく、適正価格が分からないままで、工事を行うことになってしまいます。
最低でも2社、できれば3社から「相見積もり」をとって、適正価格を把握したうえで、契約するほうがよいです。
相見積もりをすればするほどいいというものでもなく、多すぎる(5社~)と、情報が増えすぎて混乱してしまうので、やはり2~3社に留めておきましょう。
相見積もりのメリットや、相見積もりの注意点などについては、下記コラムをご参照ください。
⇒ 失敗しない屋根工事の相見積もり!見積もり業者を選ぶ基準や手順について解説
まとめ
以上、屋根カバー工法にかかる費用について、解説しました。
繰り返しになりますが、屋根カバー工法にかかる費用(総額)は、80~120万円です。
足場を組むことは必須で、工事費用には諸経費も含まれます。
そして、マッチングサイトを経由せずに、「完全自社施工」の会社に直接依頼することで、費用は安く抑えられます。