
「築年数が15年を越えた大和ハウスの家、そろそろ屋根リフォームが必要かも? でもどんな工事をする必要があるのかわからない……」という方は、多いと思います。
そこで今回は、大和ハウスの屋根リフォームに関する基本的な情報、
- 大和ハウスの屋根にみられる特徴
- 大和ハウスの屋根リフォームの種類
- 大和ハウスの屋根リフォームの屋根材選びのポイント
- 大和ハウスの屋根リフォームをどこに依頼すべきか?
といった情報を、詳しく解説します。
大和ハウスの屋根にみられる特徴

大和ハウスの屋根材は、これと決まったものがあるわけではなく、耐久性やデザイン性、コストパフォーマンスなどを考慮して、その家に最適な屋根材が選ばれています。
特によく大和ハウスの屋根に採用されているのは、
- 日本瓦(陶器瓦)
- FRC瓦
- スレート
です。
日本瓦(陶器瓦)について
日本瓦(陶器瓦)は、日本で古くから使用されている屋根材です。
粘土を圧縮して形成した表面に、ツヤや撥水性を生み出す釉薬(うわぐすり)を使用して、1,000℃以上の高温の窯で焼き上げて作られます。
日本瓦は「無塗装」のため塗り替えの必要が無く、さらに耐候性や耐水性に非常に優れているため、「耐用年数は50年以上で半永久的」とも言われます。
しかし、棟瓦の繋ぎ目のシーリングや漆喰は10年前後で劣化してしまうため、完全にメンテナンスフリーなわけではありません。
FRC瓦について
FRC瓦は、セメント瓦の一種です。
セメントに「樹脂軽量骨材」と「高分子繊維」を混ぜ合わせて成型することで、陶器瓦と比べて40%の軽量化に成功しており、建物への負担が軽減されます(=耐震性に優れる)。
さらに、割れやすい陶器瓦よりも衝撃に強く、割れにくく・欠けにくいという特長もあります。
大和ハウスでは、富士スレート社の『エアルーフ』シリーズが採用されていることがほとんどです。
『エアルーフ』は表面に「セラミックコーティング(上級品はフッ素コーティング)」を採用しているため、非常に耐久性に優れます。
デザインとしては、昔ながらの波打った形の製品と、ストレートタイプの製品が選べます。
スレートについて
スレートは「現在の主流」と言える屋根材で、(瓦と比較した場合の)軽さが特徴的であり、耐震性に優れています。
スレート屋根のリフォーム方法は「屋根塗装」「屋根カバー工事」「屋根葺き替え工事」、いずれも可能ですが、劣化状況によっては「屋根塗装ではなく屋根カバー工事」を選ぶしかなかったり、「屋根カバー工事ではなく屋根葺き替え工事」を選ぶしかなかったりします。
メンテナンスを依頼する際は、スレートの専門知識を有する業者にしっかりと点検を行ってもらい、「屋根塗装」か「屋根カバー工事」か「屋根葺き替え工事」のどれが適しているのか、正しく見極めてもらうようにしましょう。
大和ハウスの屋根にはどんなリフォームを行う?

大和ハウスの屋根リフォームについては、特有の方法があるわけではなく、一般的な住宅と同じ屋根リフォーム方法を採用することができます。
ただ先述したように、大和ハウスの屋根材は様々ですので、それぞれに合ったメンテナンスが必要です。
メインとなるのは、「屋根カバー工事」と「屋根葺き替え工事」です。劣化の状況などに応じて、いずれかを選択します。
「屋根カバー工事」について
屋根カバー工事とは、「既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる工法」のことです。
後述する「屋根葺き替え工事」のように、古い屋根を剥がして処分する手間と費用がかからないため、工事費用・工事期間を抑えることができます。
屋根カバー工事は、既存の屋根が
- スレート屋根
- 金属屋根
- アスファルトシングル屋根
上記の場合に、採用できます。
逆に、既存の屋根が瓦屋根の場合は、採用できません。
また、屋根材の経年劣化が激しい場合や、屋根の下地まで傷んでいる場合も、屋根カバー工事を採用することはできません。
<参考コラム>
⇒ 屋根の「カバー工法」とは?工事の特徴・メリット・デメリット・葺き替え工事との違いなどを解説
「屋根葺き替え工事」について
屋根葺き替え工事とは、「既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に張り替える工法」のことです。
状態によっては下地の補修・交換をすることが多く、既存の屋根材も撤去するため、屋根の問題を根本から解決できるという大きなメリットがあります。
また、地震に備えて屋根の軽量化を目指す場合、既存の屋根材(例:陶器瓦)から、軽量の屋根材(例:金属)に葺き替えることが推奨されます。
その代わり、屋根カバー工事と比較して工事費用は高く、工事期間は長くなります。
大和ハウスの屋根リフォームを行った事例
以下では、当社『ゼファン』が実際に大和ハウスの屋根リフォームを行った事例をご紹介します。
「大和ハウスの屋根リフォームについて、具体的にイメージしたい」という方は、参考にしてください。
京都市南区でアパートの屋根を葺き替えた事例

- 工事概要:屋根葺き替え・シーリング・外壁塗装
- 施工費用:総額490万円(税込)
- 施工面積:屋根140㎡・外壁202㎡
- 屋根の形:寄棟
- 工期 :4日間(屋根工事)
京都市南区で、アパート(大和ハウス)の屋根葺き替え・シーリング・外壁塗装を行いました。
「ハウスメーカーの保証点検で、屋根リフォームをしたほうがいいと提案を受け、工事を検討している」とお問合せいただいたことが、工事のきっかけです。
既存の屋根材は『グリシェイドNEO』で、新しい屋根材には『スーパーガルテクト』を採用しました。
『スーパーガルテクト』とは、アイジー工業株式会社が販売している、国産の金属屋根材のことです。
スーパーガルテクトはサビに強く、沿岸地域などでも優れた耐食性を発揮する超高耐久ガルバを採用しています。
また、スーパーガルテクトは大幅な軽量化も実現しており、スレート屋根の「約1/4」の重さ、和瓦の「約1/10」の重さしかありません。
<事例を詳しく見る>
⇒ 京都市南区 アパート 屋根葺き替え(スーパーガルテクト)・シーリング・外壁塗装工事
大和ハウスの屋根リフォームで、新しい屋根材を選ぶときのポイント

大和ハウスに限りませんが、屋根材は見た目だけでなく、耐久性・メンテナンス性・コストなど、多くの要素を考慮して選ぶ必要があります。
以下は、大和ハウスの屋根リフォームで新しい屋根材を選ぶ際に、おさえておきたい5つのポイントです。
- 各屋根材のメリット・デメリットを比較する
- 耐久性やメンテナンス性を考慮する
- 費用対効果を考慮する
- 地域の気候に合った屋根材を選ぶ
- 専門業者の意見を参考にする
1.各屋根材のメリット・デメリットを比較する
屋根材選びで最も大切なのは、それぞれのメリットとデメリットをしっかり比較することです。
例えば、陶器瓦は高い耐久性と美しさを誇りますが、他の屋根材よりも重量があります。
そして、金属屋根は非常に軽く耐震性に優れる反面、雨音が気になるケースがあります。
さらに、スレートはコストが抑えられますが、メンテナンス頻度が多くなる傾向があります。
デメリットがまったくない完璧な屋根材は存在しないため、「どこに重きを置くか?」が屋根材選びのポイントです。
2.耐久性やメンテナンス性を考慮する
屋根材は施工すると簡単には交換できないため、耐久性・メンテナンス性は慎重に検討する必要があります。
例えば、陶器瓦は30年以上美観を維持できて塗装も不要ですが、スレート材は10〜15年ごとに再塗装が必要です。
金属屋根も比較的メンテナンスは少ないものの、経年劣化による塗膜の劣化やサビ対策が必要です。
なるべくメンテナンスが容易な素材を選ぶことで、将来的な費用や手間を抑えることができます。
3.費用対効果を考慮する
屋根材を選ぶ際は初期費用だけでなく、ランニングコストを含めた費用対効果を考慮することが重要です。
例えば、金属屋根や厚物軽量瓦は初期費用は高めですが、耐久性がありメンテナンスの頻度が少ないため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
その一方で、スレートは導入費用が安価で施工も容易ですが、塗装などのメンテナンス費用が積み重なる可能性があります。
総額でのコストを見積もり、「何年住むか」「どのように住み続けるか」を考えたうえで、最適な屋根材を選びましょう。
4.地域の気候に合った屋根材を選ぶ
屋根材は、地域の気候によって最適な種類が異なります。
例えば降雪地帯では、重たい陶器瓦は雪下ろしの負担や耐震性の面で不安があるため、金属屋根や厚物軽量瓦の方が適している場合があります。
また、沿岸部では金属屋根は塩害対策が必要となり、耐食性の高い製品を選ぶ工夫が必要です。
気候や立地条件を十分に考慮し、自宅に最も合った素材を選ぶことが重要です。
5.専門業者の意見を参考にする
屋根材選びは種類が多く、素人判断では見落としがちなポイントも多いため、プロの意見を取り入れることは非常に有効です。
例えば、施工経験豊富な担当者や設計士であれば、見た目やカタログスペックだけでは分からない耐候性やメンテナンス面の違いを教えてくれます。
また、地域特有の気候条件に合わせた最適な提案も受けられるため、結果的に失敗のリスクを大きく減らすことができます。
迷ったときは自己判断だけで決めず、専門家の知見を積極的に活用しましょう。
大和ハウスの屋根リフォームは、どこに依頼すればよい?

「大和ハウスの屋根リフォームをどこに依頼するか?」ですが、まず1つの選択肢は大和ハウスの関連リフォーム会社に依頼することです。
大和ハウスの関連リフォーム会社には、大手ハウスメーカーとしての安心感があり、悪質な業者に引っかかるリスクが低く、アフター保証も充実していることが多いです。
もう1つの選択肢は、大和ハウスの屋根リフォーム実績を持つ、屋根工事専門業者に依頼することです。
ハウスメーカーの基準に沿った高品質な施工を期待できつつ、費用を抑えられる可能性があります。
どちらに依頼する場合でも、2~3社から相見積もりを取り、慎重に比較・検討することが大切です。
<参考コラム>
⇒ 失敗しない屋根工事の相見積もり!見積もり業者を選ぶ基準や手順について解説
まとめ
以上、大和ハウスの屋根リフォームに関する、基本的な情報をお届けしました。
大和ハウスに使用されている屋根材は様々ですので、それぞれに合ったメンテナンス・リフォームを行うことが大切です。
大和ハウスの屋根リフォームを依頼する際は、大和ハウスの関連リフォーム会社もしくは、大和ハウスの施工実績を持つ屋根工事専門業者を探して、依頼すると失敗するリスクが低いでしょう。